AIが与えるメタバース(VR)へのインパクト
近年、AI(人工知能)の進化は目覚ましく、特に生成型AIが話題になってきています。これらの技術は画像やテキストを生成するだけでなく、さまざまな分野で活用される可能性が無限大です。中でもAIとVR(バーチャルリアリティ)の組み合わせは、非常に相性が良く、これによって革新的なプロダクトや取り組みが生まれています。この記事では、AIとVRが組み合わさることでどのように私たちの生活を豊かにするか、3つの具体的な例を通して解説していきます。
1. 語学学習の革新: AIとVRによる没入型体験
語学学習はコミュニケーションスキルを向上させるための鍵ですが、実際の環境で練習することが難しい場合も多いです。ここでAIとVRの組み合わせが画期的です。AIを活用した対話とVRの没入感をベースに、実際のコミュニケーションに近い体験ができるようになることが期待されます。
例えば、VRヘッドセットを使用して異なる文化のバーチャルな場所を訪れ、AIによって生成されたキャラクターと対話しながら言語スキルを磨くことができます。これにより、語学学習者は失敗を気にすることなく、実際の対話に近い体験を得ることができ、言語の習得が劇的に向上することが期待できます。
実際に、スマートチューターという、VRにてAI講師と英語で会話することができるサービスを提供している企業もあり、VRによる高い没入感とAIが講師であることによって好きな時間に好きなだけ練習できることがメリットとされています。
2. VR空間の体験価値を高めるAI
これまで企業や自治体にてVR空間を作られてきましたが、その空間での体験価値が高くなければ人が集まらないことが課題となっていました。そこでAIを組み合わせることで体験価値を大幅に高めることができます。
たとえば、AIを用いた対話型の案内人を空間内に設置することで、ただ空間に訪れるだけではなく、よりその空間内での案内や積極的な参加を促すことが可能となり、訪れる方の体験価値を格段に高めることができます。また、従来であれば訪問者が多くなければ1人でその空間にいるだけになってしまいましたが、こちらもAIを活用し一緒にその空間を楽しむことができる人物を用意することができます。
昨年リリースされた株式会社アドバンスト・メディアが提供するAI音声対話アバター「AI Avatar AOI(エーアイ アバター アオイ)」はメタバース空間上で接客をするAIコンシェルジュとして話題になっていました。
3. ビジネスコミュニケーションの効率化
ビジネスにおいても、VR空間での会議やコラボレーションが増えています。VRは参加者にリアルな対面感を提供し、グローバルなチームとのコミュニケーションをスムーズにします。このVR会議にAIを組み合わせると、さらなる利点が生まれます。
例えば、AIはリアルタイムで議事録を取ったり、重要なポイントをハイライトしたりできます。さらに、AIは参加者の感情や反応を分析し、会議の効果を評価するのに役立ちます。これにより、会議の品質が向上し、時間をより効果的に活用できるようになります。
Microsoft社が今年リリース予定のMicrosoft 365 CopilotではTeamsでの会議で話されている内容の自動書き起こしや、議事録として会議内容をまとめていくといった機能が付加される予定となっており、VRでの会議にもそういった機能を体験できる日も遠くないかも知れません。
まとめ
AIとVRの組み合わせは、教育からエンターテインメント、ビジネスまで、多くの分野で革新的な可能性を秘めています。これらの技術が融合することで、私たちの体験はより高度化され、パーソナライズされたものになり、日常生活に新しい価値をもたらしてくれるでしょう!
記事:maropi