メタバース総合展(XR総合展)に行ってみた
記事:Masa(まさ)
7月3日(水)から5日(金)にかけて東京ビッグサイトで開催された、メタバース総合展とXR総合展を初日に訪問し取材させていただきました。
メタバース総合展とは、次世代のインターネットとも呼ばれ、社会や産業の在り方を大きく変えると注目されているメタバースを、活用・実現するサービス・技術が一堂に出展し、最新技術を体験できる展示会です。
また、XR総合展とは、「メタバース」や「デジタルツイン」など、生活や社会を革新していく技術として昨今注目が集まるXR技術(VR・AR・MR技術の総称)に特化し、製造・建設・不動産・医療・エンタメなど、幅広い業界で活用できるXR製品・サービスの専門展です。
二つの展示会は、二つの会場に複雑に混ざり合ったブーストなっており、その中でも個人的に興味を持ったブースを、いくつか私見まみれでご紹介します。
順番は、訪問した順で、先ずはこちら。
■ダフトクラフト株式会社
ダフトクラフト株式会社は、オモロいもん創ろうをスローガンにした会社ですが、関西ではなく東京の会社です。
訪問直前、取材の同行者と歩きながら、我々の名刺もスマホで見たら3Dアバターが見えるくらいしないと今時じゃないよなぁと話をしていたところに、偶然通りかかったのがここです。
そこで編集大好きディレクターの説明員の方が、「A-Meisi」というデジタルAR名刺サービスを紹介くださいました。
説明員の方からいただいた名刺の裏にQRコードがあり、スマホのカメラをそこにかざすと、おぉ!ARで名刺の上に3Dアバターが出てくるではないですか。
これだこれっ!、我々が欲してたのは、まさにこれだよ。しかも動いてる。
このサービスを導入する場合、Pro+ARプランを利用します。プランの中には3Dアバター1件の登録、3DアバターのAR表示、アバターアニメーション制御が含まれます。
3Dアバターは、人に限らず、マスコットキャラ、建造物などなんでも可能で、数十種類のアニメーションからお気に入りを選べます。
う~ん、これはやるしかない、やるしかないでしょ!
費用に関しては、1ユーザ¥2,400/月(年間払い)となっており、我々弱小団体には、ちとつらい。別に¥3,000/月(月間払い)というのがあるので、イベントなどの期間中だけやるっていうのもありかも。
■株式会社アオミネクスト
実は、このブース、展示会マップではメタバース総合展の領域になっていますが、実際には先端テクノロジー展だったことが後でわかりました。
ここは、『メタバースのこと、かなり詳しい 御社のメタバース、つくります。』をコンセプトとしている、すごく若い社長の会社です。
業務内容は一般的なメタバース関連の企画・開発・実施などですが、目を引いたのはメタバース高等学校の立ち上げを支援していることです。
学校法人青叡舎学院の勇志国際高等学校に新しくできるメタバース生スタイルというコースがあります。そこでは毎朝のホームルームは、自宅からアクセスするメタバース空間内で、生徒が思い思いのアバターでコミュニケーションします。また、学校行事や部活では、メタバース空間でのe-Sportsを活用したり、文化祭もメタバース空間で開催するなど、かなりメタバースに踏み込んだ活用となっています。
こんな学校、実におもしろそうですよね。
■クリムゾンテクノロジー株式会社
クリムゾンテクノロジー株式会社は、着うたが始まるころの創業で、音に関する技術展開と音楽コンテンツのアグリゲーションを事業の方向性としている会社です。
このブースで紹介いただいたのは、Voidol2(Voidol3)という、いわゆるボイチェンと呼ばれる技術の商品になります。私は、ボイチェンを使っていないですし、詳しくはありませんが、ここで注目したのは、まずこのデコマイクでした。なかなかですよね。
そして、このマイクを使って体験させていただいたのが、この夏発売予定のVoidol3です。
自分で使うことは無くても、普段ボイチェンの人と話をしているので、その聞き取りにくさや遅延が気になるところです。この体験で気づいたのは、説明員の女性が女性の声にボイチェンして話をするのはスムーズなのに、男性が同じ女性の声にボイチェンすると、声が割れたりして聞き取りにくくなっていました。元の声質と変換内容の相性みたいなのがあるのでしょうね。
いろんなパラメータの微調整で、声質などを調整できるようですが、思うような声にするのは大変そうだなという感じです。
■株式会社ワントゥーテン
この会社は、「新たな空間=XR」や「新たな存在=AI」で、知的好奇心をかき立てる。をミッションとしています。
ブースでは、ChatGPTを使用したQURIOS AGENTという、案内業務、受付業務、販売業務など、人の労働をアシスト・サポートするAIエージェントを紹介いただきました。
今回、京都府の観光案内をしてくれる『まゆまろAI』を体験してみました。
このシステムは、単にお客様の質問をChatGPTに丸投げするのではなく、事前に用意されたDBの内容をもとに正確な回答を返すようになっています。ちょっと意地悪な質問をしてみましたが、明らかに京都でも観光でもない質問には、ChatGPTがそのAI単独で回答を返してくるようです。
この手のシステムで残念なのは、ChatGPT自体も回答を返すのにしばらく時間が掛かりますが、音声認識や音声合成などが入ることで、なおさら会話に遅延が発生します。昔の海外との衛星通信による会話以上ですね。これがポンポンと小気味よく回答が返ってくるようになると、きっと楽しいでしょうし、身の回りがこのようなシステムであふれかえる気がします。
■日本バイナリー株式会社
こちらの会社は、最先端の電子機器及びその関連システムを米国、EU、及びスイスの有力業務提携先、 企業、国立研究機構等から一早く取り寄せて顧客のニーズに答えるというビジネスを展開されています。
初めに紹介いただいたのは、Force Dimension社の力覚フィードバック装置で、写真の手前の装置を二本指で操作すると、正面のマニピュレータが動作し、そのアームが障害物に当たると操作する側もそれ以上動かなくなります。可動範囲は狭いですが、その分精度に優れているそうです。
力覚フィードバックの感触は、かなりいい感じでした。
次に操作したのは、Geomagic Freeformという力覚フィードバック装置で、ペンを持って操作するとCAD内のオブジェクトに触れる感触があり、強く押し込むことで3D形状の変形をすることができます。
彫刻や粘土細工をCAD内で実現できるのかなと思うのですが、残念ながら私には、まだ十分に活用場面が想像できませんでした。
他にもたくさんの出展がございましたが、今回以上の5つをご紹介させていただきました。